野生のバラの仲間では、最も大きい花です。果実の味が梨に似ていることから、「浜梨(ハマナシ)」が訛って「ハマナス」になったといいます。(「ハマナスビ」が語源だという説もあるそうです)
北海道から本州に分布しますが、北海道に多く、稚内のシンボルの花です。
根は染料、花はお茶、果実はジャムなどの食用になるという有用な植物でもあります。
白いものは「シロバナハマナス」といい珍しいです。
THE BOOMの歌に"白いハマナス"というのがありますが、稚内に来て作った歌だそうです。
ともに丈が低く、一見すると草に見えますが、かき分けて茎を見れば木であることが解ります。雰囲気がとてもよく似ていて間違えられやすいのですが、葉の形が違っていて、チングルマが羽状複葉、チョウノスケが楕円形です。
チングルマは、形が子供の風車に見えたことから稚児車(ちごくるま)が転じて名づけられ、花言葉は「可憐」。
チョウノスケは、須川長之助が日本人で最初にこの花を採集したことからこの名になり、花言葉は「家庭の徳」。
どちらも同じ時期に咲きます。大きさも同じぐらいで丈が10㎝程度で、とても可愛らしい花です。チョウノスケにはファンクラブがあるそうです。
花期 5月下旬-6月中旬
野山の草原に生え、昔から広く親しまれている山野草の一つです。
「われもこうありたい」というはかない思いを込めて名付けられたという説があります。
「吾木香」「吾亦紅」などとの表記で、和歌や俳句などで一般に使われます。
「吾亦紅さし出て花のつもりかな」小林一茶
「吾亦紅すすきかるかや秋草のさびしききはみ君におくらむ」若山牧水
「吾も亦(また)紅(くれない)なりとひそやかに」高浜虚子
根茎は下痢止めや、傷の止血、やけどに効くとされます。若葉は食用になり、和え物、油いため、佃煮などにされています。
高さ 70-100㎜
花長 1-2㎝
初夏にピンクや白色の集合花を咲かせ、秋には紅葉します。
下野国(しもつけのくに:現在の栃木県)ではじめて発見されたことが名前の由来です。
北海道から九州にかけての山地に、幅広く自生しています。
変異が多く、種類がたくさんありますが、この植物園では3種類のシモツケが咲きます。
私はマルバシモツケがお気に入りです。
花の形が梅に似ていて、黄色、または白色であることから、それぞれ「金露梅」、「銀露梅」と名付けられました。
6月~9月頃、高山の岩場に生える落葉小低木です。ロックガーデンや盆栽などで、よく利用される花です。
とても鮮やかなので、色が飛んだりして写真に収めるのが難しい花でした。
「キンバイ」とは漢字で「金梅」と書きます。鮮やかな黄色や山吹色で、梅の花に似ていることからこの名前が付きました。 この植物園では3種類のキンバイが咲きます。
北海道の海岸や岩場、草地に分布します。葉は分厚く、綿毛に覆われているのが特徴です。
利尻島に分布する固有種です。牡丹の花のように見えることから、この名前が付きました。花の中央が赤くなっているのが特徴です。
礼文島に分布する固有種です。6月頃、桃岩歩道の湿った谷あいに群生しています。
咲き始めの花の色は淡い紅色ですが、満開になると白くなります。
千島地方に自生することから、この名が付きました。
背丈は1~2mとあまり大きくならず花を咲かせます。
別海町では町のシンボルにもなっていて、別海町立野付小学校のチシマザクラは見事ですよ。
八重の花がびっしりと固まって咲くピンクの花です。
分類的には桜ではないし、シベリアに自生しているわけでもありません。
葉がニレ科のオヒョウに似ていることから、「オヒョウモモ」ともいわれます。
丸く大きく広がる草の形を、キジが休むムシロに例えられたことから、この名が付きました。
日本では北海道から九州にかけて分布し、山野の日当たりのよい所に咲きます。
花言葉「明るく輝いて」の通り、日差しを浴びて輝いている印象が強く残る花です。
花期 5月下旬-6月中旬
ヘビイチゴの名が付いていますが、ヘビイチゴの仲間ではありません。
英名は「ワイルドストロベリー」です。
原産地はヨーロッパと北アメリカで、日本では北海道に帰化していて、山地や草地などに生えます。
果実は小さいですが香りは強く、果物として食用にされます。葉はハーブティにもなるようです。
山地の林の中などに自生します。
キンバイソウに似ていて、草丈が小さいのでこの名が付きました。
高さ 10㎝程
花径 2㎝程